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です、このss。
無事に投下出来てたらシグはや15作目でございます。

スバティアに続いてまた「月一ネタ」でございます。ですので苦手な方は華麗なスルースキル発動お願いします。
例の片思いの続きもどき第二弾です。
ちょーっとだけ、ほんとに少しだけ進んだんじゃないでしょうか。
姐さん視点で最後だけ三人称入ります。


お題を「風花」さまの 『詰め合わせ25題』 から使わせてもらいました。


では、続きからどうぞ!













***服の裾をく、弱い力***









 「…う゛ー……」


 ベットから地を這うような低い唸り声が聞こえてくる。
 膨らんだ掛け布団。隙間から零れるのは、濃い栗色の髪。


 「主。薬をお持ち致しました」
 「…んー。…あんがと、シグナム…」


 もぞもぞと布団が動いて、隠れていたお顔が現れる。
 眉間に皺を寄せて、左手で下腹部を押さえられながらベットの上にのろのろと座られたこのお方は、我が主・八神はやて。
 いつもは明るく元気なお方だが、流石に今はそんな余裕は無いようだ。私が持ってきた薬と水を取るのも実に億劫そうで。時折、波が来るのか目を瞑って無言で耐えておられる様子が目に付いた。


 「…ぷはっ。…あーもう、あかん。毎度の事ながら痛過ぎる……」
 「今日はもうじっとして、安静にしていて下さい。夜になればシャマルも帰ってくるでしょうから、それまでの辛抱です」
 「そうやなー…」


 薬を嚥下し、主はまたベットへと横になられた。顔を顰めて、低く唸られる主。いくら薬を飲んだとはいえ、そんなに早く効く筈も無いので、恐らくしばらくはこのままだろう。
 出来れば変わって差し上げたいのだが、それは無理な話で。せめてもと、少し乱れている栗色を優しく撫でた。


 現在時刻、8時過ぎ。
 本日は平日。普通に学校もあるのだが、主は今日、このように欠席なされている。
 理由は『あまりの腹痛のため』。
 女性特有のそれは、個人差はあるが重い場合は酷い生理痛や腰痛まで引き起こす時がある。
 私は、特に無い。だが、主のそれは、どうやら重い類のようで。それが休みならいいのだが、こうやってたまに平日に重なってしまうともう、休むしかない。
 とにかく毎月に一度、こうやってベットに横たわり、痛みに耐えておられる姿があるのだった。


 初日を過ぎればもう痛みも無いらしいのだが…。
 やはり、主が苦しむ姿は…正直な所、あまり見たくない。

 
 間が悪い事に、治癒魔法が使えるシャマルは局の仕事で居なかった。他の家族も同様。幸い、私は休みだったのでこうして主のお世話をする事が出来る。
 とはいえ、流石に付きっきりと言う訳にもいかない。本音としてはずっと傍に付いて居たかったが、家の仕事がある。
 もう一度主の頭を労わる様に撫でて、空になったコップと薬のゴミを手に立ち上がった。すると、目をきつく閉じて腹痛に呻いておられた主がその気配を感じて「…どこ、行くん?」と群青を向けてきて、私の上着の裾を弱々しく引っ張ってこられた。


 「これを片付けて、少し家事をしてきます」
 「…そっか」
 「主?」
 「………ううん。何でも無いよ。ごめんな、折角の休みやのに」


 しばらく何かを言おうと迷っておられるように、視線を彷徨わせて。
 けれどもそれを口にする事無く裾から離れてベットにぱたりと落ちた腕と、代わりに呟かれた謝罪の言葉。
 いえ、どうせ休みだといっても予定も無いですから。何を言い淀まれたのだろう。気になったが、訊ねても恐らく答えてくれない気がしたので、そう返して私は主の部屋を後にした。





***





 「洗濯も掃除も洗い物も、済ませた。これで、一応は終わりか」


 全ての家事を終えて時計を見てみると既に11時を過ぎていた。普段しないものだから、存外時間を食ってしまった。
 もうすぐ昼だが、主の様子はどうだろうか。食べるようなら、今はきっと気分があまり宜しく無いだろうし、粥等食べやすい物でも作ろうか。それぐらいなら私も作れる。


 「主、失礼します」


 コンコンと扉をノックし、主の部屋へと戻る。返事が無かったのでどうしたのかと思えば……何の事は無い。ようやく薬が効いてきたようで、痛みで体力を消耗した分も相まって疲れてお眠りになられているだけだった。
 起こさない様に注意を払ってベットの傍に腰を下ろす。顔を覗き込めば、顔色は悪いものの、幾分か和らいだ寝顔が見えたのでほっと安心した。
 ふと、視線を横にやると、布団から投げ出された左手があった。そこで先程服の裾を掴まれた時の事を思い出す。主はあの時、何を言い淀んでおられたのだろう。何だか、求めているようにも見える、投げ出されている手。


 「………」


 もしかして、そういう事なのだろうか。いやでもしかし…。


 「…ん……シグナム…」
 「!」


 急に名前を呼ばれたので起こしてしまったのかと息を潜めて身を堅くする。


 「主…?」
 「……そば……いて…や」


 微かに呟かれた言葉。さらに身を堅くする。
 …けれども。
 それ以降は何も動きは無くて、私は全身を脱力させて、静かに息をついた。どうやら寝言だったようである。………しかし。
 先程呟かれた言葉。そして、何かを求めるように投げ出された手。……どうやら、先程の考えは当たっているようだった。


 「…よし」


 逡巡は一瞬。
 決めたら、後は早かった。






***






 「ん……――――…うん?」


 深い眠りの中から意識が段々と浮上していく。その最中、はやてはふと自分の右手に温もりを感じた。これは…誰かの、手? 誰かがはやての手を握っている。
 誰だ? とは思ったが、はやての脳裏には不思議とその誰かが浮かんでいたりした。随分前だが、こうやって手を繋いだ時に、はやてより二周りは大きい掌に、触り覚えのあるごわごわとした感触を感じたからかも知れない。
 もぞもぞと、身を捩ってはやてはその人物は誰かと見る。すると思った通りの人物が、ベットに背を預けて座り込み居眠りしていたので、はやてはくすくすと小さく笑い声を上げた。
 まだお腹は痛かったが、そこまでひどくは無かったのでのろりと起き上がる。もちろん、居眠りしているその人を起こさない様にそっとだ。
 その際にちらりと壁に掛けられた時計を見れば、時刻はちょうど2時だった。
 桃色の、高く結わえられた長い髪。目を閉じた端正な横顔。ごわごわとした感触の正体は、日々の努力の証である剣だこだ。
 はやての右手を握って、居眠りしていた人物の正体は、烈火の将・シグナムだった。
 いつからこんな風に手を繋いでいてくれたのだろうか。余裕が無かったとはいえまったく気付かなかった。

 …が、それにしても、だ。

 どうしてシグナムは自分と手を繋いでくれているのだろう?
 その答えは、ふとやったサイドテーブルへの視線の先にあった。そこにあった物を見て、はやての思考にとある可能性が浮かぶ。
 もしそうなら、鈍感な彼女にしては珍しい、はやての気持ちを汲んだ行動である。
 本当に気付いてほしい気持ちには、まだ気付いて貰えていないが。
 けれど、それでも。


 「とりあえず、一歩前進…かな?」


 まったく進展を見せないこの関係にとっては、大きな一歩では無いだろうか。
 少なくともそう思えたので、彼女が作ってくれたお粥が少ししょっぱかったのは、黙ってあげる事にしたはやてであった。








了 











で、この後から月一の日にはこうするという習慣が付いたらいいですね。
しかしこの姐さん、如何したものか。
こんなに鈍感にしたのは一体誰だ!これじゃあ、二人をくっつけるの大変じゃあないか!(どの口が

ちなみに作中のはやてさんの症状は私そのものです。重いんですよ、私(苦笑
にしてもこれでメイン揃っちゃたわけですから、次のss更新は前々から言ってた通りにサブのEROですね。
…どうしよう、まだ何も思い付いてないぞ(汗


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2010.09.24 / Top↑
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